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AWS Transform のストレージ評価、RVTools から S3・EBS・EFS・FSx に割り当て

オンプレの NAS・SAN・直結ディスク・バックアップの一覧から、AWS Transform は移行先の割り当て・サイジング・TCO まで出す。渡せる入力、what-if で比べられる軸、告知に書かれていない点を整理する。

オンプレミスの NAS、SAN、直結ディスク、バックアップの一覧を AWS Transform に渡すと、移行先の AWS サービスの候補とサイジング、コストの見積もりが返るようになった。AWS は2026年10月21日付の What’s New で、AWS Transform の移行アセスメントがオンプレミスのストレージも評価するようになったと告知している。割り当て先は Amazon S3、Amazon EBS、Amazon EFS、Amazon FSx の4系列で、FSx はさらに NetApp ONTAP、Windows File Server、OpenZFS、Lustre に分かれる。

手元のストレージ一覧を出しておけば移行先を判断してくれるのか、という問いへの答えは「判断の下書きまでは作る」だ。告知によれば、AWS Transform はワークロードごとに最も合うサービスを当て、推奨構成をサイジングし、コストを予測して TCO(総保有コスト)のビジネスケースにまとめる。ただし「最も合う」をどの基準で決めるのかは告知に書かれていない。出てきた割り当てをそのまま計画に採るかどうかは、別に確かめる必要がある。

一覧を渡してから TCO が出るまで

告知に並んでいる要素を、入力から出力の順に置くと次のようになる。

段階告知に書かれている内容
評価できるストレージNAS 共有、SAN の LUN、直結ディスク、バックアップリポジトリ
入力の形式NetApp Digital Advisor のエクスポート、RVTools のファイル、その他のインベントリ
割り当て先Amazon S3、Amazon EBS、Amazon EFS、Amazon FSx(NetApp ONTAP / Windows File Server / OpenZFS / Lustre)
出力ワークロードごとのサービス割り当て、サイジング、コスト予測、TCO のビジネスケース
比較what-if シナリオ(Single-AZ と Multi-AZ、コスト優先と性能優先)

出典:AWS What’s New「AWS Transform adds storage migration assessments for Amazon S3, EBS, EFS, and FSx」(2026年10月21日)

告知はこの機能を、プロトコル・容量・性能にまたがる数千のボリュームを手作業で分析する代わりのものとして説明している。ストレージのインベントリをアップロードすれば、対応付けは AWS Transform が行うという流れだ。

今回の告知では、NetApp Digital Advisor のエクスポートと RVTools のファイルが入力例として挙げられている。リンク先の移行アセスメントの User Guideには、RVTools の ZIP/CSV・Excel、CMDB、AWS Transform の Excel テンプレートなど、一般的なアセスメントで扱える形式が示されている。ただし、個々のストレージ評価で必要な列や対応状況は、投入前に確認したい。

同じ一覧で配置と優先度を振って比べる

what-if シナリオでは、デプロイの選択肢を切り替えて結果を比べられる。告知が例に挙げているのは Single-AZ と Multi-AZ の比較、コスト優先と性能優先の比較だ。結果のどれについても、チャットで追加の質問ができる。

移行計画の稟議では、可用性の要件を一段上げたときにいくら増えるかを問われることが多い。同じインベントリから Single-AZ と Multi-AZ の両方の見積もりを出せるなら、その差を一から計算し直す手間は減る。ただし、シナリオごとの差がどの程度の粒度で示されるのか、ワークロード単位で切り替えられるのか全体一括なのかは、告知からは分からない。

計画に組み込む前に押さえる点

告知が述べているのは評価、サイジング、コスト予測までで、データを実際に移す工程や切り替えの手順には触れていない。この機能で得られるのは移行先とコストの見通しであって、移行作業そのものの自動化を約束するものとは読めない。

割り当ての根拠も確認しておきたい。たとえば同じファイル共有が EFS に振られるか FSx のいずれかに振られるかは、プロトコルや性能要件で変わりうるが、AWS Transform がどの条件でどちらを選ぶのかは告知に書かれていない。チャットで理由を尋ねられるとされているので、判断の分かれ目になりそうなワークロードはそこで根拠を確かめるのが現実的だ。

告知だけではコストの計算前提は分からないが、User Guide にはアセスメントの設定項目として対象 AWS リージョンや料金モデルが掲載されている。TCO を社内資料に載せるなら、どの前提を選んだ試算なのかを明記したい。

告知に挙げられたサービス名だけで移行先を確定せず、実際の評価結果とストレージ評価ガイドを照らして、必要なストレージ機能が適用できるか確認しておきたい。

提供範囲は、AWS Transform が使えるすべての AWS リージョンだ。具体的なリージョン名は告知に列挙されていないため、自社で使うリージョンで AWS Transform が使えるかを先に確認しておくとよい。RVTools や NetApp Digital Advisor のエクスポートをすでに手元に持っているチームなら、それを最初の入力にして、出てきた割り当てと手作業の見立てを突き合わせるところから始められる。

出典 種別について